第79回オークス【レース展望/予想オッズ/出走予定馬分析/過去データ】〜人気馬の死角とデータから狙える穴馬の条件は?〜

2018年5月20日(日)

東京11R 芝2400m

3歳牝馬

〈レース展望〉

オークスは3歳牝馬クラシック2戦目で、世代最強の座を争うレースとなっています。クラシック1戦目の桜花賞は1600mとスピードが必要なのに対して、オークスは2400mとスピードに加えてスタミナも求められます。例年、2400mを初めて走る馬がほとんどで距離適正を見極めるのが難しいレースです。今年は桜花賞を快勝し「怪物級の牝馬」といわれ、オークスでも1番人気が予想されるアーモンドアイが出走予定ですが、父がロードカナロアと2400mがもつのか心配する声も上がっています。更に、桜花賞で好走したラッキーライラックリリーノーブル、トライアル組からはサトノワルキューレなどが出走登録をしており好メンバーが揃いました。また、過去には2011年に3連単548,190円の配当があるなど、過去10年で3回10万以上の馬券が出ており、穴馬の台頭にも注意が必要です。

〈予想オッズ〉

1番人気 アーモンドアイ 2.1倍

2番人気 ラッキーライラック 2.8倍

3番人気 サトノワルキューレ 4.1倍

4番人気 リリーノーブル11.9倍

5番人気 マウレア 22.9倍

6番人気 トーセンブレス 28.4倍

7番人気 オールフォーラヴ 28.7倍

8番人気 カンタービレ 44.0倍

9番人気 レッドサクヤ 79.4倍

10番人気 パイオニアバイオ 82.5倍

〈出走予定馬分析〉

アーモンドアイ

通算成績4戦3勝〔3.1.0.0〕

新馬戦こそ2着に敗れるものの、未勝利戦は難なく勝ち上がり、牡馬も出走するGⅢシンザン記念では、雨が降り稍重のコンディションの中、1頭だけ上がり3F34秒台の別次元の走りをみせて快勝しました。そのまま直接桜花賞へ向かうと、レース前現役最強といわれていた無敗のラッキーライラックを最後の直線で最後方から上がり3F33秒2の脚を使い並ぶ間もなく抜き去りました。このパフォーマンスにより、レース後「怪物級の牝馬などと呼ばれています。しかし、この馬にも不安な点があります。それは、距離適正です。父ロードカナロアは現役時代G16勝しており、その内5勝は1200mと短距離馬でした。種付馬となってからの産駒は、1600m前後での活躍は目立つものの、2000m以上になると勝率は下がってしまいます。先月の皐月賞でも1番人気に推されたロードカナロア産駒のステルヴィオは差しが届かず4着に破れています。その為、アーモンドアイにとっては、距離の壁を越えることが出来るかが鍵になってきそうです。

ラッキーライラック

通算成績5戦4勝〔4.1.0.0〕

昨年2歳時はデビューから3連勝で阪神JFを制し最優秀2歳牝馬に選出された馬です。桜花賞のトライアルであるチューリップ賞も休み明けを感じさせない勝ち方で快勝。無敗で迎えた桜花賞は勿論1.8倍の1番人気となりましたが、アーモンドアイの強烈な末脚の前に完敗。今回のオークスはリベンジの舞台になります。そもそも、桜花賞では1枠から先行せざるを得なかったことで、他馬のマークが厳しかったことも敗因に挙げられています。問題の距離適正ですが、ラッキーライラック自身1600mまでしか走ったことがなく、馬体からはマイラーではないかとの声が聞かれる一方、父オルフェーヴルは牡馬3冠、有馬記念2勝、凱旋門賞2着2回と血統的には距離をこなせるのではないかとの意見もあります。気性的にはレース後に騎手を振り落としていた父オルフェーヴルとは真逆の優等生と言われており、プラスに働くと思われます。

サトノワルキューレ

通算成績4戦3勝〔3.0.1.0〕

 トライアルのフローラSを勝ってオークスに挑むサトノワルキューレは、何といっても2400mを経験しているのが強みです。唯一の敗戦である梅花賞は直線で伸びかけたところを、エタリオウが外側から斜行したことで不利を受け脚が止まってしまいました。次走のゆきやなぎ賞では、そのエタリオウを差しきって勝利しましたが、エタリオウといえば先日行われた青葉賞では2着に入り実力を証明しています。前走のフローラSでは直線の入口で最後方でしたが、大外をしっかりと伸びきって強い勝ち方をしたことから、距離の不安はなく安心感のある1頭といえます。

リリーノーブル

通算成績5戦2勝〔2.2.1.0〕

デビューから2連勝後、阪神JFチューリップ賞桜花賞を2⇒3⇒3着と堅実な結果を残しています。かわいい馬なのですが、桜花賞パドックでは馬体に幅がありトモも立派で著しい成長を感じました。そんなリリーノーブル桜花賞ですが、好位からレースを進め最後の直線ではアーモンドアイにあっさりかわされてしまいましたが、最後までじわっと伸びてラッキーライラックとの差を縮めて3着でゴールしました。馬体からはマイラーのような力強さを感じますが、父は中距離適正の高いルーラーシップであり、血統的には距離が伸びても良さそうです。成長途上であるリリーノーブル桜花賞からの逆転を期待できるでしょう。

マウレア

通算成績6戦2勝〔2.1.1.2〕

桜花賞を制しているアユサンを全姉にもつマウレアですが、前走の桜花賞ではリリーノーブルを前に見る形でやや後方からレースを進めました。直線では伸びきれず5着と桜花賞を姉妹で制覇することは叶いませんでした。そんなマウレアですが、桜花賞パドックでは踏み込みがぎこちなく疲労を感じました。美浦手塚厩舎所属の為、桜花賞前は栗東に滞在し調整しましたが、クイーンCを使っていることや遠征の影響は大きかったのかもしれません。今回オークスが行われるのは東京競馬場なので、長距離輸送はなく調整がうまくいけば逆転も可能な1頭と思われます。

これらの他にも、現時点で勝率0.291、連対率0.496、3着内率0.564と驚異の結果を出している絶好調の藤原厩舎からはレッドサクヤが送り出されます。また、マウレアを出走させる角居厩舎からはトライアルのスイートピーSを勝利したランドネフラワーCを勝ったカンタービレが出走予定でこちらも注目が集まります。

〈過去データ〉

・本命?波乱?

2009年は3連単2430円と堅い決着の年もあれば、2008,2011,2013年では3連単10万円以上の決着となっており荒れることもあります。1番人気〔4.2.1.3〕と2番人気は〔1.3.2.4〕は信頼度が高いですが、3番人気は〔2.0.1.7〕となっています。2桁人気の馬は2008年の2着以降馬券圏内には入っていないため、中穴の台頭に注意が必要といえます。

・前走

 まず押さえておきたいのは桜花賞組です。過去10年で3着以内に入った30頭中18頭は前走が桜花賞でした。そのうち14頭は桜花賞で3着以内に入っていました。また、桜花賞で大敗してから巻き返した馬は、桜花賞での人気が4番人気以内となっています。

 次にオークスでの好成績を挙げているのはフローラS組です。過去10年で3着以内に入った30頭中9頭を占めています。そのうち8頭は3着以内に好走しており、残りの1頭はフローラSで1番人気を集めていました。

 この他で注目しておきたいのは忘れな草賞組です。過去10年で2度優勝馬を出しており、2頭とも忘れな草賞を優勝していました。

・キャリア

過去10年の勝ち馬は1頭を除き、通算出走数が4~6戦でした。3着内率まで確認すると、4,5戦の馬が特に好走しており、気になるデータとなりそうです。

・枠

過去10年で3着以内に入った頭数

1枠 3頭

2枠 5頭

3枠 3頭

4枠 1頭

5枠 5頭

6枠 1頭

7枠 7頭

8枠 5頭

以上のように、外枠(7,8枠)が好成績となっています。やはり、スローの上がり勝負となりやすいオークスでは、スムーズに運べる外枠がもまれず折り合いがつきやすいのでしょうか。他には、内枠(1,2枠)で馬券圏内に入った8頭のうち5頭は6番人気以下の馬であり、穴馬を狙うにはコースロスが少ない内枠が良いかもしれません。